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糖尿病について

 糖尿病とは、膵臓から分泌されるインスリンの作用不足により血液中のブドウ糖が多くなり過ぎた状態(高血糖)が長く続く病気です。

 インスリンの作用不足には、2つの原因があります。

  • インスリン分泌低下:膵臓の働きが弱くなりインスリンの分泌量が低下する。
  • インスリン抵抗性:肝臓や筋肉などの組織がインスリンの働きに対して鈍感になり、インスリンがある程度分泌されているのに効きにくくなる。

 人間の体の中で血糖を下げることが出来るのはインスリンのみです。初期の頃は自覚症状はほとんどありませんが、血糖値を高いまま放置すると徐々に全身の血管や神経が障害され、色々な合併症を引き起こします。

糖尿病の種類
  • 1型糖尿病:インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が破壊され、分泌が完全に消失してしまうためインスリン注射を要する。
  • 2型糖尿病:遺伝的な背景、生活習慣により発症。

 日本では9割以上が2型糖尿病です。血糖を管理して、合併症の発症や進行を遅らせることがとても大切です。

検査、診断

 糖尿病を評価するために血糖を測定します。その時、空腹時血糖かそうでないかも重要です。空腹時血糖とは、前の食事から約10時間経過した時のことであり、お腹が空いている時ではありません。それに対して、随時血糖というのは、空腹時以外のタイミングでの血糖になります。

 またHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)も併せて測定します。過去1-2ヶ月の血糖状態を反映する値です。HbA1c値は合併症の進行と深く関係しており、7.0%未満が管理の目安となりますが、目標値は一人一人の背景によって違ってきます。尿検査で尿糖が出ているかどうかも評価します。高血糖状態では血液中のブドウ糖が尿の中に排泄されるため、血糖値170mg/dL前後を超えてしまうと尿糖が陽性になります。

■空腹時血糖    126mg/dl以上

■随時血糖       200mg/dl以上

■HbA1c          6.5%以上

 上記のいずれかの場合には、糖尿病の可能性が考えられます。

糖尿病の合併症

 糖尿病には3大合併症があります。

  • 神経障害:手足の神経に異常をきたし、足、手の指に痛みやしびれなどの感覚異常。
  • 網膜症:眼の網膜にある非常に細い血管が障害され、進行してしまうと失明に至る。
  • 腎機能障害:老廃物を尿として排泄する腎臓の機能が障害され、最終的に透析導入に至る。

 また、心臓病や脳卒中や下肢壊疽(えそ:下肢の血管が詰まってしまい足の血行が悪くなり、悪化した場合には足の切断に至る)など、直接死亡のリスクに関係する動脈硬化を引き起こすことも分かっています。自覚症状がなくても見えない所で合併症が進行してしまい、気がついた時には日常生活に支障が現れているということが少なくありません。

当院の治療について

 治療法には、食事療法、運動療法、薬物療法(飲み薬、インスリン注射など)の3つを組み合わせて行います。

 荒井クリニックでは、長く健康的な生活を送るために、共に治療に向かうサポートをすることを第一に考えております。糖尿病は、規則正しい生活習慣の継続が一番大切です。血糖が上がらないような生活を一緒に考えていきましょう。

食事療法

 食事療法はどの治療をしている人に対しても必要で、食後血糖値の急な上昇を抑える事が大切です。「早食い」「偏食」「まとめ食い」を避けて、ゆっくり食事をすることを心がけて下さい。野菜やたんぱく質を多く含む食品(肉類や魚介類など)から食べ始めましょう。炭水化物を多く含む米やパンなどの食品を真っ先に食べないようにするなどの工夫も有効です。食事を抜いたり、朝食や昼食を軽めにすませて夕食に多くの量を食べるようなことは避けましょう。

運動療法

 運動療法は有酸素運動や筋力トレーニングを組みわせるのが良いとされております。エネルギー源としてブドウ糖が消費されます。血糖値が高くなる食後1-2時間に運動すると効果的です。筋肉量が増加すると筋肉が糖を取り込み、血糖値が下がりやすくなります。運動することで消費エネルギーを増やし、体重を減らすことに繋がります。

薬物療法

 食事療法と運動療法でも血糖管理が不十分な場合、薬物療法を行います。飲み薬(経口血糖降下薬)には、インスリンを効きやすくする薬、インスリンを出しやすくする薬、糖の吸収を抑える薬、余分な糖を尿から出す薬などがあります。

 飲み薬の選択は、血糖の高くなっている原因がインスリンが効きにくくなっているのか、分泌量が低下しているかによって決まります。飲み薬だけでは血糖のコントロールが難しい場合には、インスリンを注射することでインスリンそのものを外から補う場合もあります。以前と比較してインスリンの種類も増えたり、週に1回のみで良い新しい注射薬も登場しております。

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